《1999年10月31日 〜 1999年11月06日》


 アートディンクより、12月2日に発売予定となっている、「ルナティックドーン・オデッセイ」に期待を寄せています。このゲームは、「フリースタイルRPG」とも呼ばれていて、自由な冒険を売りにしています。これまでの2大RPGであった、「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」シリーズは、始めから達成すべき目的というものが定められており、ハッピーエンドに向かって、各処を旅するわけです。最終的には、悪の権化とされている者を打ち倒すことで、ゲームは終結するのですが、どのプレイヤーもその道程や道筋は似たり寄ったりで、大きく異なるところはありません。こういったスタイルのRPGは、「1本道RPG」とも呼ばれています。しかし、「フリースタイルRPG」は、始めから目的や課題といったものは与えられていません。各地を旅し、興味のある仕事だけを、自分の意思で引き受けるという形をとっている為、プレイヤーによって、その行動は様々に分岐するのです。英雄を目指すことも出来れば、途中で出会った好きな異性との結婚、暗殺や誘拐などの裏の世界を暗躍することも出来ます。基本的にこれらは、宿・悪の館を通じて、依頼を受け取ります。宅配・買い物・アイテム探索・返済・人物探索・救出・護衛・逮捕・退治・密輸・強盗・誘拐・暗殺と、その分類も様々です。もし、フリースタイルRPGに興味を持った方で、発売日まで待ちきれない方には、既に発売されている「ルナティックドーンV」を、オススメします。


 もう随分と古い話になってしまいましたが、10月18日におこなわれた記者会見によりますと、「ドラゴンクエストZ エデンの戦士たち」を、12月29日に発売すると発表しました。価格は7800円、CD−ROMは2枚組になるようです。「ドラゴンクエスト」シリーズは、1986年の1作目以来、国内売上累計2200万本以上という、国内2大RPGの一つです。前作の「ドラゴンクエストY 幻の大地」から4年振りの発売ということもあって、年末は各店、「ドラゴンクエスト」一色に染まることでしょう。ゲームデザイナーの堀井雄二さん、キャラクターデザイナーの鳥山明さん、音楽のすぎやまこういちさんというメンバーは、今作も健在。発売元のエニックスでは、このゲームの発売決定に伴い、平成12年3月期の売上高を23億9千万円も上方修正したそうです。問題なのは、シナリオの品質になってくるわけですが、1作目のドラゴンクエストは、A4用紙50枚程度であったのに対し、今作は1万3千ページにも及ぶとか。今冬は、どこも「ドラゴンクエスト」の話題で、もちきりになることでしょう。


 普段から、ゲームのねたをダイアリーとして発表する割には、ほとんどゲームを買わない私ですが、プレイステーションでは、ソニーの「PS・ザ・ベスト」を始めとする廉価版に注目しています。廉価版は、その殆どが2800円と安いので、時代遅れ感さえ気にしなければ、これを逃す手はありません。昔に比べて、最近は、発売日当日に購入する!、という気持ちも弱まり、安くなってから楽しむというスタイルを取るようになりました。そんな中でも、いつか買おうと思って、未だにプレイしていない注目のゲームを挙げますと、3Dポリゴンレースゲームの「グランツーリスモ」、アーケードで人気の高かったシューティングゲームの「レイストーム」、ナムコ往年のアーケードゲームを収録した、「ナムコミュージアム」、コナミの「ビートマニア」など。当分、廉価版生活は止められないでしょう。


 11月25日に発売予定の「グランツーリスモ2」(定価6800円)。ファミ通11月5日号を読んで、そのボリュームに圧巻しました。F1ゲームもこれぐらいマニアックなら、どれほど喜んだことでしょうか…。タイムアタックでは、ゴーストカーの出現(過去の自分の最速の走りを、サーキットに登場させる)、コース内における各セクション毎のタイム表示は、どちらも、「Formula One 99」に切望していたもの。チューニングもよりマニアックとなり、LSD(片輪だけタイヤが空転するのを防ぐパーツ)、電子制御パーツ、タイヤ、アルミホイール(車の挙動には直接関係ありませんが、ドレスアップとして)と様々。コースの種類についても、前作分はもちろん、新しく追加されたロードコースや、更にはラリーさながらのダートコースまで増えたとか。なんといっても、ただのレースゲームではなく、車の挙動に力を入れているだけあって、シミュレーター並の操作性。前作では100車種以上の車を選べたのに対して、今作はその3倍以上に車種は増え、500車種600グレードという脅威。早く、F1ゲームもこれぐらいマニアックなこだわりのものを出して欲しいです。


 パンドラボックスは、11月18日に発売する「ドラゴンナイツ・グロリアス」を皮切りに、ほぼ毎月1本のペースで、1980円のオリジナルゲームを発売することになりました。この低価格シリーズ「パンドラMAXシリーズ」は、ごく普通のクオリティを持ったゲームを、1980円で発売するという、これまでの5800円という一般的な市場価格にメスをいれる試みでもあります。以前、1999年9月19日〜9月25日のダイアリーでも、ご紹介した通り、麻雀や将棋といったような、一つのジャンルを扱った低価格ソフトウェアとは異なり、前評判も上々のようです。アドベンチャーゲーム好きの私としては、「死者の呼ぶ館」「リストラの朝」「闇の蛹(さなぎ)」に注目しています。


 1999年10月15日に発行した12巻をもって、10年余り続いていた「サイレントメビウス」も、完結致しました。私も先日、ようやく本屋で12巻を見つけ、一気に読み終えました。「サイレントメビウス」を友達に紹介してもらった、高校生の頃からの約10年の思いにつきましては、1999年8月30日〜9月5日のダイアリーを、参照して下さい。実は、これまでのサイレントメビウスを振りかえってみたかったのですが、あいにく、11巻までを友達に貸してしまっている為、それは、フェイバリト(お気に入り)のページにて、次の機会にでも、ご紹介したいと思います。12巻の内容を、ネタばれにならない程度に説明しますと、ガノッサという人物によって、プロジェクト「ガイア」が、とうとう発動されようとしていました。これは、地球とは異なるネメシスという邪界との出入口を作り、人間と妖魔が互いに往来できるようにするためのものです。もしこれが実現すると、恐ろしい形相、力をもった妖魔が、地球に流れ込み、人類の危機を迎えることになってしまうのです。そこで、最終巻では、このプロジェクト「ガイア」を築き上げた経緯や、過去にそれを発動させようとして失敗した理由、ガノッサの目論見が、次々に明かされていきます。そして、妖魔との戦いの行方も…。


 とうとう、1999年F1世界選手権の最終戦を飾る第16戦、日本グランプリが10月31日におこなわれました。かつては、3回、訪れたことのある鈴鹿サーキット。経済的に難しい今となっては、それもしばらくは断念。そもそも、入場券1万6千円、指定席約2万円(場所にも拠ります)、3日間の駐車場料金1万円(これも場所に拠ります)、高速道路往復料金約1万円(…だったと思います)、ガソリン給油およそ5千円(燃費やF1観戦後の移動の有る無しに影響)、食費、土産代など、最低でも8万円は必要になります(ちなみに、つねさんは、どうでしたか?)。初めて足を運んだときは、自由席の逆バンク、2回目からは指定席の2コーナー、3回目は指定席のヘアピン。やっぱり、指定席が一番です。おかげで鈴鹿にはめっぽう詳しくなり、食べ処(キムチ食べ放題のラーメン屋はまだあるのでしょうか?)や銭湯、ゲームセンター、カラオケの場所は然り、F1観戦後、渋滞を避ける為の裏道もマスターしてしまいました。…さて、話を戻し、前戦のマレーシアGPにて、フェラーリの車検違反による問題で、ミカ・ハッキネンのワールドチャンピョンが、一旦、決定されました。しかし、その後の最終的な審議の末、規定には違反していないということになり、ワールドチャンピョンは取り消されました。そこで最終戦は、フェラーリのアーバイン、マクラーレンのハッキネン、どちらがワールドチャンピョンを獲得するのか、注目は一点に絞られました。そして、その鍵を握っているのが、ミハエル・シューマッハー。既にレビューもしてありますので、そちらの方も、ご一読下さい。


 ほるぷ出版より発売されている、池田あきこさんの「ダヤン、わちふぃーるどへ」を、読了しました。「ダヤンとタシルの仲間たち」のイラストは、前から気に入っていたのですが、肝心なストーリーはさっぱりでした。この小説は、猫のダヤンの生い立ちから、わちふぃーるどという幻想的な世界へ行くことになった理由などを描いたファンタジー物語となっています。また、この小説を出版するにあたって、挿絵は、エッチングという技法を使っているそうで、より、幻想的な雰囲気を醸し出しています。「わちふぃーるどの公式ホームページ」によりますと、エッチングとは、銅版を使った凹版画の事で、版面に塗ったグランドの上に、鉄筆で絵を描き、銅を露出させ、硝酸などで腐食させて作る技法のことだそうです。線の太さや強弱は、液の温度や濃度、腐食時間によって変わってくるので、大変難しい手法らしく、1枚1枚の完成には、大変な手間隙がかけられています。実際にこの本を読んでみて、わちふぃーるどの世界にどっぷりとはまりました。こういった擬人化された動物を扱った物語は、大変、好きで、様々な動物が登場する度に、そのキャラクターの性格や行動に惹き込まれてしまいます。物語としても、大変、読みやすく、出来れば、この後も是非、続きを書いてもらいたいと思いました。この1冊のおかげで、「ダヤンとタシルの仲間たち」を、少しばかり理解できました。ピーターラビットのような物語の好きな人には、おすすめです。