「25年目のキス」 1999年/アメリカ/1時間47分
自己評価ランキング C+

《ストーリー》
 ジョジー(ドリュー・バリモア)は、シカゴ・サン・タイムズ社に勤めるコピー・エディター。仕事の腕に関していえば、申し分はないものの、私生活においては、真面目でダサい女性で、25歳になる今まで、キスの経験もない。いつも、上司のガス(ジョン・C・ライリー)には、いいネタを提供しているが、所詮はコピー・エディター。彼女は記者ではない為、記事を書かせてはもらえない。そんなある日、社主のリグフォート(ゲーリー・マーシャル)の思いつきにより、高校への潜入ルポが企画され、その会議に出席していた中では、一番若いジョジーに白羽の矢が立つ。

 早速、8歳さば読みして、17歳に成りすました彼女は、サウス・グレン・サウス・ハイスクールへ潜入する。果たして、ジョジーの初仕事の行方は…?

 ちょっと前に、ドリュー・バリモア主演の「エバー・アフター」を鑑賞し、彼女の演技に、見事ハマってしまった。今作「25年目のキス」も、彼女の出演と聞いて、早速、映画鑑賞してきた。特に、「25年目のキス」では、主演だけでなく、初めての製作総指揮をつとめるという、記念すべき作品ともなった。彼女は、ナンシー・ジューボネンと共に、1995年に、フラワー・フィルムズを設立しており、進行中の3作のうち、初めて製作された作品が本作にあたる。1999年4月17日には、17年ぶりに来日もしている。

 作品は、全体的に学園ものに仕上がっている。だから、出演者も若い。「ディープ・インパクト」で、イライジャ・ウッドのガールフレンド役を演じた、リーリー・ソビエスキーは、今回、地味な高校生アルディスを演じている。今夏には、トム・クルーズ、ニコール・キッドマン夫妻と共演した「アイズ・ワイド・シャット」も控えている。

 この他、「スクリーム」シリーズに出演している、デイビッド・アークェットは、ジョジーの弟役を演じ、「シン・レッド・ライン」にも出演した、ジョン・C・ライリーも、ジョジーの上司役を務めている。

 特に、この作品をみて、文化的に感じたのは、「プロムナイト」の存在であった。分かりやすくいうと、卒業パーティである。私たちの思い浮かべる卒業には、厳粛な雰囲気のなかでおこなわれた卒業式のイメージがある。卒業旅行という言葉はよく聞くけども、卒業パーティというのは、あまり聞かない。私なんか、卒業式の後は、自動車免許を取得するべく、教習所に通っていたことしか記憶にない。でも、後輩の女の子から花束をもらったことは、今でもよく覚えている。

 日本とアメリカでは、格式の意味も全く異なってくる。日本のように静まり返った卒業を迎えるのに対して、アメリカの高校生は、全然違う。アメリカでの格式というのは、それはまるで何かの授賞式と見間違えるほど、きらびやかなパーティを意味する。プロムナイトは、最後の青春をしめくくる、とても貴重な夜になる。今作のプロムナイトでも、ハロウィンのように、晴れやかな衣装をまとうので、コスチュームを選ぶのも大変なことだし、そもそも、パーティには誰を誘うか、ということも重要になってくる。最近では、「メリーに首ったけ」でも、プロムナイトについて少し触れているけども、実際には、主人公のトラブル(?)により、プロムナイトの会場を、スクリーンに映し出されることはなかった。そういう意味において、この「25年目のキス」から、プロムナイトの存在を知ったときは、軽いカルチャーショックを受けた。私も25歳なので、ドリュー・バリモア演じるジョジーと、性は異なるものの、その思いをシンクロさせながら、映画を楽しむことができた。

監督
 ラジャ・ゴズネル

キャスト
 ドリュー・バリモア    ジョジー・ゲラー役
 デイビッド・アークェット ロブ・ゲラー役
 ミシェル・バルタン    サム・コールソン役
 モリー・シャノン     アニータ役
 ジョン・C・ライリー   ガス役
 ゲーリー・マーシャル   リグフォート役
 ショーン・ホアレン    マーキン役
 クレス・ウィリアムズ   ジョージ役
 リーリー・ソビエスキー  アルディス役
 ジェレミー・ジョーダン  ガイ・バーキンス役
 ジェシカ・アルバ     カースティン役
 マーリー・シェルトン   クリスティン役
 ジョーダン・ラッド    ギビー役

参考
 ・株式会社インプレス MOVIE Watch
 ・「25年目のキス」公式サイト
 ・「25年目のキス」パンフレット