F1 Grand Prix 第4戦 イギリス

 第4戦、イギリス・グランプリは、例年通り、シルバーストーン・サーキットで開催されました。

 シルバーストーンは、F1サーキットの中でも、伝統を誇るサーキットとして知られ、数々のF1チャンピョンも輩出しています。グラハム・ヒル、ジム・クラーク、ジャッキー・スチュワート、ナイジェル・マンセル、そして、デーモン・ヒル。その中で、今、英国が最も、期待をかけているのは、至上最年少デビューながら、入賞を果たすという偉業を成し遂げた、ジェイソン・バトン。若干、20歳。英国では、まだ、レンタカーも借りられない年齢だそうです。それなのに、限られた人間にしか与えられないスーパーライセンスを、既に持っているというわけです。

 シューマッハーにとっては、昨年、シーズンを棒に振るという、重大な事故を起こした、因縁のあるサーキットでもあります。しかし、今年は、開幕3連勝の勢いもあり、その心配とは無縁でしょう。

 ただ、予選は荒れ模様でした。これまで、3戦連続、ポールポジションを獲得していたミカ・ハッキネンは、3位。ミハエル・シューマッハーも5位と、低迷。代わって、ポールポジションを獲得したのは、ルーベンス・バリチェロ。自身、3度目、フェラーリに移籍してからは、初のポールポジションとなりました。

 今戦からは、トラクションコントロールの使用制限を、規定の中に加えられた為、スタート時におけるホイールスピンの確率が高まり、より、エキサイティングなレース展開を楽しめるようになりました。そんな中で、シューマッハは、持ち前のスタートダッシュを阻まれ、オープニングラップでは、8位と後退。反対に、ジャック・ヴィルヌーヴは、10番手から6番手へと、今回も、見事なロケットスタートを決めました。ホンダエンジンのパフォーマンスも然る事ながら、元ワールドチャンピョンタイトルを獲得した、ヴィルヌーヴの腕前も反映して、毎度、このような結果を生み出せるのでしょう。

 序盤戦は、バリチェロを先頭に、フレンツェン、クルサード、ハッキネン、バトン、ラルフ・シューマッハーと続き、ミハエル・シューマッハーは8位。

 中盤戦、35周目辺り、ルーベンス・バリチェロは、最終コーナー付近で、スピン。その後、すぐにピットインするも、再び、コースに戻ることはありませんでした。ポールポジションを獲得し、初優勝のチャンスもあっただけに、残念です。ただ、スピンする前、クルサードに交わされ、その頃から、マシンに何らかのトラブルをかかえているような感じもありました。

 結局、このシルバーストーンを制したのは、昨年に続いて、2連覇を成し遂げた、デビット・クルサード。シューマッハーは、3位でフィニッシュを迎え、開幕4連勝は、阻止されました。ミカ・ハッキネンは、2位でゴールしたものの、シューマッハーとのポイント差は、2ポイントしか縮めることは出来ませんでした。英国期待の新星バトンは、5位。これは、ひょっとすると、本当に大物かもしれません。

 今戦は、割りと、順調なレース運びだっただけに、抜きつ抜かれつの攻防戦や、ピットワークにおける各チームの作戦面での見所は特になく、平凡なレースでした。シューマッハーに至っても大人しいドライビングでした。次のレースでは、もっとエキサイティングなレースを見せてもらいたいものです。次戦、F1グランプリ第5戦は、スペイン・グランプリです。決勝戦は、5月7日、ゴールデンウイーク最終日に行われます。