1998年度 イカデミー賞発表
《ノミネート対象作品(計30作品)》
  スフィア
  追跡者
  ディープ・インパクト
 ※ジャッカル
 ※タクシー
  ゴジラ
  リーサル・ウェポン4
  仮面の男
  フラッド
  プライベート・ライアン
  モンタナの風に抱かれて
  マスク・オブ・ゾロ
  始皇帝暗殺
  ロスト・イン・スペース
  Xファイル ザ・ムービー
  アルマゲドン
  6デイズ/7ナイツ
  ラッシュアワー
  レ・ミゼラブル
  ユー・ガット・メール
  メリーに首ったけ
  パッチ・アダムス
  シン・レッド・ライン
  グッドナイト・ムーン
  スネーク・アイズ
  エネミー・オブ・アメリカ
  エバー・アフター
  恋におちたシェイクスピア
  プラクティカル・マジック
  RONIN

《最優秀作品賞と、その他のノミネート》
★プライベート・ライアン
 パッチ・アダムス
 ディープ・インパクト
 エバー・アフター

 「プライベート・ライアン」は、戦争の知らない私にとって、その残酷さと恐怖を擬似体験することのできた作品として、とても高く評価した。戦争を扱ったゲームなどが多く出まわり、戦争の戦略・戦術・作戦といった要素に興味を覚えてはいたものの、ゲームでは、その恐怖感を味わうことなどはなかった。しかし、この作品を見て、戦争は二度と起こしてはならないものなのだということを、改めて痛感した。戦争の知らない人は、目を背けずに、過去の事実を知っておくべきだと思う。


《監督賞と、その他のノミネート》
★テレンス・マリック(シン・レッド・ライン)
 スティーブン・スピルバーグ(プライベート・ライアン)
 ロバート・レッドフォード(モンタナの風に抱かれて)
 ミミ・レダー(ディープ・インパクト)

 「シン・レッド・ライン」は、「プライベート・ライアン」とは違ったアピールをしている点で、とても印象に残った。残酷な戦争の世界と、海・山・森・草原といった自然の相異なる領域を、違和感なく見事に融合させた点は、とても素晴らしい。後からじわじわと感じてくる、感動でもなく興奮でもない、この不思議な気持ちは、まるで監督の魔法にかかったようだ。「モンタナの風に抱かれて」の映像も美しかったが、「シン・レッド・ライン」では、自然の描写に、監督の心意気をより強く感じた。


《音楽賞と、その他のノミネート》
★グッドナイト・ムーン 
 プラクティカル・マジック
 アルマゲドン
 ディープ・インパクト

 「グッドナイト・ムーン」は、継母役を演じるジュリア・ロバーツと、二人の子供と一緒に、車の中で歌っている曲に好感を抱いた。なんとなく、曲とそのシチュエーションが一体化しているような感じがしたからである。それに比べれば、「プラクティカル・マジック」で流れている有名な曲や、「アルマゲドン」のエアロスミスの曲は、個人的に強い印象を与えることはなかった。


《コンピュータグラフィックス賞と、その他のノミネート》
★ディープ・インパクト
 アルマゲドン
 ゴジラ
 ロスト・イン・スペース

 「ディープ・インパクト」「アルマゲドン」は、共に票を分け、大変迷った。ただ、「アルマゲドン」のCGは、映画を見る前から、予告ムービーやCMなどで流れていたので、映画館では新たな興奮を感じることができなかった。それよりも、「ディープ・インパクト」の津波の迫力に気圧された。


《主演男優賞》
★ロビン・ウィリアムス(パッチ・アダムス)

 「パッチ・アダムス」では、コメディ、シリアルの両方を演じることのできる役者を必要としていたことだと思う。その点を念頭に置くと、ロビン・ウィリアムスを抜擢したことは、これ以上にない適役である。彼は時にはユーモラスに、時には感動を与えてくれ、その多方面に渡る演技力は、文句のつけようがなかった。あまりの素晴らしさに、その他のノミネートさえ、思いつくことが出来なかった。


《助演男優賞と、その他のノミネート》
★ニック・ノルティ(シン・レッド・ライン)
 ジェフリー・ラッシュ(レ・ミゼラブル)

 ニック・ノルティの渋い声と演技に、とても惹かれた。彼の演じる役柄は、とても好きにはなれないが、演技としては、まるで本当に実在していたかのような存在感を感じ、逆に感心してしまった。ジェフリー・ラッシュは、「レ・ミゼラブル」において、そのミステリアスな役にマッチしていた。そう思いきや、「恋におちたシェイクスピア」では、一転してコメディタッチなキャラクターを演じていたので、ポイントとしては高かった。後は、より印象に残ったのはどちらかで、判断した。


《主演女優賞と、その他のノミネート》
★コン・リー(始皇帝暗殺)
 アン・ヘッシュ(6デイズ/7ナイツ)
 ドリュー・バリモア(エバー・アフター)
 ティア・レオーニ(ディープ・インパクト)

 ただ美しいだけでなく、作品の中における存在感の強さでは、コン・リーが最高だった。個人的には、ドリュー・バリモアのファンなので、主演女優賞をなんとしてでもあげたかったのだが、コン・リーと、アン・ヘッシュは、それ以上にインパクトがあった。


《助演女優賞と、その他のノミネート》
★ユマ・サーマン(レ・ミゼラブル)
 ナターシャ・マケルホーン(RONIN)
 マリア・ピティロ(ゴジラ)
 モニカ・ポッター(パッチ・アダムス)

 ユマ・サーマンは、貧相な役柄を演じているのに、とても美しかった。ナターシャ・マケルホーンも、油断のできないような、きっとした表情は、とても好印象だった。二人のどちらにすべきか迷ったものの、ユマ・サーマンの情に訴えるような強烈な演技は、ジャン・バルジャンを演じるリーアム・ニーソンでなくとも、見ていて同情したくなる。


《特別賞》
●衣装デザイン賞
 恋におちたシェイクスピア

●アイデア賞
 タクシー

●デザスタームービー賞
 フラッド

●SFムービー賞
 ディープ・インパクト

●ホラームービー賞
 Xファイル ザ・ムービー

●ラブストーリー賞
 エバー・アフター

●アクションムービー賞
 ラッシュアワー

●コメディムービー賞
 6デイズ/7ナイツ