銀河英雄伝説 田中芳樹

 前述した「アルスラーン戦記」と共に、有名な小説です(他には、「創竜伝」なども有名です。でも、これには、はまりませんでした)。この小説との出会いは、ある日、友人に「銀河英雄伝説」のビデオを見せてもらったことです。その後、本屋で小説を、即効で買いに行きました。当時、私は「信長の野望」「三國志」というゲームにはまっていて、戦略・戦術・兵法なんかに、大変興味を持っていました。そんな興味を持つ人にとって、この作品は、最高傑作といっていいでしょう。

 本格的なスペース・オペラと評するだけに、宇宙を舞台に展開されていく戦争の数々…。特に、銀河帝国のラインハルトと、自由惑星同盟のヤンによる戦略・戦術は、芸術的ですらあります。第1巻から、クラウゼウィッツの「戦争論」にも著されている、各個撃破戦法も登場し、これはまさしく、兵法の集大成といっても過言ではありません。

 もちろん、この本の面白い点は、これだけではありません。個性豊かなキャラクター同志による会話、特に毒舌や皮肉なんかも、読者の笑いを誘います。この小説だけは、年に何回も読みなおしています。いずれは、「銀河英雄伝説」の名言集なるものを、個人的にまとめてみたいと思う、そんな作品です。