《2000年01月16日 〜 2000年01月22日》


【西暦2000年お年玉付き年賀はがき】

 今年は、49人の方に年賀状を送り、49枚の年賀状をいただきました。さて、年賀状と言えば、お年玉です。去年は見事、全てハズレでした。過去、1997年と1998年に、お年玉切手シートを当ててきただけに、1999年の年明けは、少し残念でした。今年こそと、49枚の年賀状に全てを託したのですが、残念ながら、全てハズレ。お年玉切手シートさえ当たりませんでした。来年こそ、切手シートぐらいは…、いや、いっそのこと、デジカメでも当たらないかなぁ(他力本願)。

【落雷によるネットワーク障害事件】

 1月20日、14時。私の勤める工場のすぐ近くにある鉄塔に、雷が落ちました。光と音が同時だったので、文字通りの「ピカドン」でした。まるで、爆撃でもくらったかのような轟音だったので、工場内の従業員全員が、驚きました。そのとき、私は、たまたま工場長から、保健室にあるパソコンで、デジカメの画像をアップロードしようとするとエラーメッセージが発生して上手くいかない、と呼び出され、その原因を調査している最中でした。原因は、画像をアップロードする為のプログラムをインストールしているフォルダの空き容量不足によるものでした。そこで、不要なファイルを整理し、再インストールを試みようとしていたときに、落雷したのです。

 工場長は、窓から外を見やり、「鉄塔から煙が出ている」と、私に言いました。どうやら、鉄塔近辺に落雷したのは間違いないようです。しかし、停電になるでもなく、保健室にあるパソコンにも異常はありませんでした。しかし、どうにも不安は拭い去れません。そこで、席に戻ってみると…、なんと、本社とのネットワークが寸断されてしまったようなのです。オンラインも、社内のグループウェアも、ネットワークエラーを返してきました。工場内のルータにPINGを打っても、返ってくるのは「タイムアウト」。どうやら、雷サージによって、ネットワーク機器のどこかがショートしてしまったようです。

 慌てて、本社の情報システム部門へとコールしました。情報システム部門においても、こちらとのネットワークに異常があることを察知しました。すぐに、ネットワーク回線業者を手配し、復旧作業に取り掛かることになりました。

 事態は、予想以上に深刻でした。ネットワークの断絶に留まらず、ホストコンピュータのコンソールの表示も、異常を発していました。ある課では、FAXを受信できない、との問い合わせも入ってきました。時間が経つにつれて、障害報告は後を絶ちません。

 夕刻、本社の情報システム部門とネットワーク回線業者が、現地入りしました。早速、コンピュータ室のネットワーク回線の調査に乗り出します。なかには、ショートしたタップトランシーバという機器から、嫌な臭いも発生しており、被害の深刻さを物語っていました。これら、被害にあったタップトランシーバを交換し、ネットワークの確認をとります。…ところが、画面に表示されるのは、タイムアウトの文字。どうやら、雷にやられた機器は一つ二つではないようです。工場全体には、ルータ、リピータ、ブリッジ、ハブ、タップトランシーバと、数え切れないほどのネットワーク機器が存在します。その複数がやられているというのです。大規模な障害であることを知らされたとき、コンピュータ室にいる誰もが青ざめました。しかし、こうなったら、手探りで1個1個、しらみつぶしに調べるしか、方法は残されていませんでした。

 ネットワーク機器をわざと取り外したり、別のものと交換する度に、ネットワークの状況を確認し、問題となっている機器を特定させていきました。一方で、工場内のLAN環境において、お互いの課のコンピュータ同士で確認を取り合い、工場全体でも生きているラインは存在するかを確認していきました。どうやら、少なくとも50%以上のラインには、異常がないようです。そして何とか、19時に、全線復旧させることが出来ました。障害発生から5時間後のことでした。その間、ホストコンピュータもいちかばちかで、電源を強制的に入れなおし、無事、再始動に成功しました。

 しかし、この日は、先のFAX障害を復旧させることは出来ませんでした。NTTは、今回の落雷事件で、私達以上に多忙な状況下にあり、とても工場に来てもらえる余裕はありませんでした。仕方なく、この件は明日に回し、また、オフィスプロセッサなどのネットワーク障害も、明日、業者を手配することで、この日は切り上げました。

 翌日、NTTやNECなども復旧作業にあたり、ほぼ99%は完治致しました。被害にあったのは、タップトランシーバ数個、リピータ、100Baseハブ、PCのネットワークボード1枚、オフィスプロセッサのネットワークアダプタなど、数え切れません。1年に1回は落雷による被害を受ける当工場も、今回は、特に甚大なものでした。工場内全線を光ケーブルにすれば、こういった問題からも解放されるかもしれませんが、軽く見積もっても数千万円は掛かるといわれています。とても、実現の見込みはありません。西暦2000年問題は、もうこの先、被害を及ぼすことは無いでしょうが、落雷ばかりは、この先、何度も私達を悩ませることでしょう。ましてや、いつ、起こるのかさえ分からないだけに、今となっては、西暦2000年問題以上に、深刻な問題であることを、改めて、痛感しました。