《1999年12月26日 〜 2000年01月01日》


【「仔犬のローヴァーの冒険」読了】

 「ホビット」「指輪物語」で有名な、J・R・R・トールキンの「仔犬のローヴァーの冒険」を、読了しました。

 この物語の主役となる仔犬のローヴァーは、ある魔法使いに魔法をかけられ、おもちゃの犬にされてしまいます。ローヴァーは、魔法を解いてもらうために、様々な冒険を繰り広げます。その行く先には、月や海底など、普通では考えられないところを駆け巡り、様々な生き物にも遭遇します。ローヴァーを月へと運んでくれるかもめや、月に住まう竜、海底には鯨や人魚など、まさしくファンタジーな内容となっています。

 しかし、一応、最後まで読んではみたものの、わくわくするような興奮は得られませんでした。これは単純に、私には合わなかった、ということです。しかし、子供に読み聞かせるには、もってこいの一冊といえるでしょう。

【「自分のためにできること」読了】

 この本の帯には、「こころと体にいいレシピ」と書かれていますように、エッセイでもあり、レシピでもある本です。全体的に女性向けの内容となってはいるものの、ひとつひとつのエッセイに添えられているレシピは、大変、健康に気をつかったメニューとなっており、また、簡単に作れるようにも配慮されています。

 特に、本書の中でも印象を受けたのは、『生きていくには、何かを食べなければならない。そして、食べることは、ずっとつづく。だから「食べる」ことは、重要で大切にしていきたい「日々のこと」』という文章です。この本文からも感じ取れますように、本書では、「食べる」という行為は、大変、素晴らしいことであることを、読者に伝えようとしています。ただ、食欲を満たすという意味だけではなく、知的な行為として位置付けているのです。食事は、ただ肉体的な健康を維持するためだけではなく、精神的な健康を維持するためにも必要なことなのです。従って、本書のレシピは、こころを癒すための食事療法とも言えるでしょう。

 私は、この本を読んで、ある著名な二人の言葉を思い出しました。シンガーソングライターの辛島美登里さんは、「食事を愉しむというのはすごく知的な作業」と言っています。そして、作家・俳優・演出家の中谷彰宏さんは、「知性で運を開く」という本の中で、「食べることは娯楽であるとか、もしくは生命を維持するための本能的な行為だから、そんなものは知的作業ではないと考えがちです。《中略》これまで日本では、特に食べることに関するトレーニングは低く見られてきました。食べることは娯楽だと子供の時に考えてしまった人は、食べることをちゃんと評価しないからです。《中略》食事をする時、ただ漫然と、おいしいとかおいしくないとか思いながら食べるのではなく、食事も知的作業なのだと思いながら食べてみて下さい」と、述べています。

 本書は、そこまではっきりと書かれてはおりませんが、そのニュアンスは感じ取れます。正しい食生活をおくることで、肉体的にも精神的にも、健康になれるのだということを、この本は、教えてくれるでしょう。

【年末年始の休日を返上しての西暦2000年問題対応】

 今年は、西暦2000年問題の対応という、全国的どころか世界的な問題もあり、当社においても、一部の社員は、年末年始も出勤する羽目になりました。通常は、12月30日より休みに入り、1月4日まで連休は続きます。しかし、私を含む何人かは、12月31日に、大事なデータやファイルのバックアップをとり、工場内の全コンピュータ機器を確認し、西暦2000年1月1日午前0時0分になった途端、誤作動を起こさないように、全ての電源を切断するという作業をおこないました。従って、年末で休みなのは、12月30日、ただ1日だけです。

 年始につきましても、元旦は、工場長宅への年始回り(何も、西暦2000年問題で騒がれているこんなときにまで、やらなくても…)、2日も、西暦2000年問題対策の作業として、コンピュータの電源を入れ、正常に起動・動作するかを確認しなければなりません。従って、3日と4日しか休めないのです。これでは、普通の休みと大して変わりはありません。やりたいことがいっぱいあるというのに…。

【「ビジネス改善の技法」読了】

 今年、最後に読了した本は、K課長より借りた一冊の本でした。この「ビジネス改善の技法」は、業務を効率化するにあたってのノウハウをまとめた本で、私は、この本から、システムエンジニアリングに通じるものを感じました。

 私は、常日頃、システムエンジニアリングとは、改善活動であると考えていました。システムエンジニアは、ハードウェア・ソフトウェア・ネットワーク・システム等に、深く携わる仕事です。そして、これらを、より良くするために、絶えず改善活動を続けなければなりません。

 本書には、「仕事遂行力」と「仕事創造力」という言葉があります。前者は、決められた仕事の水準を落とさず、テキパキとこなす能力を意味し、ほぼ全ての社員に必要とされる能力でもあります。一方、後者は、状況の変化に応じて、新しい仕事を創造したり、工夫する能力を指します。そして、システムエンジニアに求められている能力でもあります。現状を維持できれば、それで満足という考え方は、システムエンジニアには相応しくありません。より効率の良い方法を模索し、いろんな面での生産性向上、時間短縮、ランニングコストの削減に努めなければなりません。

 その為には、自ら、問題を発見・発掘・創出する必要があります。これも本書で述べられていることです。端から見れば面倒な作業なのに、やっている本人は、そのことに気づかないこともあります。中には、問題に気づいていても、自分ではどうすることも出来ないということもあるでしょう。システムエンジニアは、そんなときに役立つ存在でなければなりません。改善することに億劫を感じるようになったら、もう、システムエンジニアを語る資格は無いも同然です。

 本書は、「改善」に関することを、いろんな角度から、幅広く説明しています。従って、改善に対する基底を学ぶには、もってこいといえるでしょう。

【年始回り】

 正月は、工場長宅、祖母の家(父の実家)、私の実家の3ヶ所を巡り、年始のご挨拶にお伺いしました。

 当工場のT工場長は、毎年、正月になりますと、工場内の各課長や、管理計画課に在籍する社員を、ご自宅へお招きし、おせち料理などをもてなして下さります。今年も去年に引続きまして、午前11時に集合し、工場長宅へお伺いしました。総勢30名にもなるというのに、座敷には、全員、すっぽりと腰を下ろすことができます。おせち料理も、全てお手製のようです。最近は、こんな機会でもなければ、おせち料理を食べることも、なくなってしまいました。

 夕方は、祖母の家と実家を、訪ねました。どちらの家も、ともに高岡市にありますので、帰省といいましても、自宅から車で30分もかかりません。祖母は、今年で満80歳でありながら、いつも、はきはきとしています。いつまでも、ご壮健であってほしいと願うばかりです。実家は、前以て、この日に帰ることを告げてありましたので、わざわざ、夕食にすき焼きをご用意してくれました。私には、2人の弟がおります(何を隠そう、3兄弟なのです)。彼らは、ここ数年で私の身長(161センチ)に追いつき、1人はすでに私を超えてしまいました。身長に関して、特にコンプレックスを感じていない私でも、久し振りに会った弟の変わり様に、ちょっとだけショックを受けました。